いまや世界中で愛され、飲まれている紅茶。
そのかぐわしい香りと深い味わいは、私たちを至福のティータイムへと誘ってくれます。
そんな紅茶ですが、美味しく淹れるための「正しい淹れ方」があることをご存じですか?
いつもの紅茶がもっと美味しくなる基本の入れ方から、
応用のミルクティー・アイスティーの作り方まで、じっくりとご紹介していきます。
ぜひ、この記事を参考に、
次の休日は、自宅で自分や大切な人のためにゆっくりと紅茶を淹れてみてください!
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美味しい紅茶を淹れるためのコツはいくつかありますが、
まずは基本の入れ方をマスターしましょう。
後で紹介するミルクティーやアイスティーの作り方も、
この基本の入れ方がもとになります。
19世紀半ばのイギリスにおいて確立された、
美味しい紅茶の基本的な入れ方である「ゴールデンルール」にもとづいた方法がこちらです。
① まず、やかんに水をたっぷり入れて沸騰させます。
② 紅茶を淹れる前にポットとカップを湯通しして温めておきます。
お湯を沸かす時にあらかじめ多めに入れておき、
沸騰する前のお湯を少し注いで温めると便利です。
温めておくことで、紅茶の抽出に必要なお湯の温度が下がるのを防ぎます。
③ 温めたポットにティースプーン1杯(2~3g)を1人分として、人数分の茶葉を計って入れます。
④ 沸騰したてのお湯を人数分(1杯150~180mlくらいが目安)注ぎます。
ポットの茶葉めがけて勢いよく注ぐのがポイントです。
⑤ すぐにふたをして3分前後蒸らします。蒸らし時間は茶葉によって異なります。
⑥ 蒸らし時間が終わったらポットの中をスプーンで軽くひとまぜし、
茶漉しを使って濃さが均一になるようにカップに注ぎます。
”ベストドロップ”と呼ばれる最後の一滴まで注ぎきりましょう。
以上が紅茶の基本的な入れ方です。
少し手間はかかりますが、その分美味しさは格別です!
次からは、特に重要なポイントについて詳しくみていきましょう。
紅茶を淹れる時に最も重要なポイントは、お湯の温度だと言われています。
最適なのは、硬貨大の泡がいくつも、ぼこぼこと出ている沸騰したてのお湯です。
温度にすると95~98℃です。
紅茶の主成分であるカフェインやカテキンは、お湯の温度が90℃以上ないと抽出されません。
冷めないうちにポットに注ぎ、抽出中は80℃を下回らないように注意します。
沸騰させた熱湯を使うのはもちろんですが、特に気温が低い時期にはポットマットを敷いたり、
ティーコゼー(保温目的で被せるポット用の帽子。ティーコージーともいいます)
で覆ったりするのも高温を保つためのひとつの手です。
さて、紅茶の成分が茶葉から抽出されるためには高い温度が必要ですが、
加えて美味しい紅茶になるかどうかはお湯を注いだ時に、
ある現象がみられるかどうかで判断できます。
その現象とは”ジャンピング”と呼ばれるもの。
適温のお湯をポットに注ぐと、湯の対流で茶葉がポットの中で上下に回転する現象です。
このジャンピングが起きることによって、茶葉から本来の味わいや香りが抽出できます。
沸騰不足で温度が低い場合はジャンピングが起こりにくく、
茶葉が上に浮いたままで物足りない風味になってしまいます。
逆に沸騰させすぎても、ジャンピングに必要な水分中の酸素が抜けてしまい、
茶葉はポットの底に沈んでしまいます。
風味もどこか重苦しいものになりますので、やはり適温のお湯を使って淹れることが大切です。
続いては、美味しい紅茶を淹れるための重要ポイントのひとつである”蒸らし”です。
蒸らし時間を十分にとるかとらないかで、風味は大きく変わってきます。
美味しさの決め手になる味や香りなどは湯を注いだ瞬間には出てきませんので、
しっかりと蒸らし時間をとって美味しさを引き出していきましょう。
では、実際にどのくらいの時間蒸らすのでしょうか?
これは茶葉の種類やサイズ、飲む人の好みなどによっても異なりますが、
一般的に大きめの茶葉は3~5分、小さめの茶葉は2~3分といわれます。
ゆっくりと長めに蒸らした方が、その紅茶本来の深みのある味わいが楽しめます。
注意点として、抽出時間が短すぎると香りや味が薄くなってしまいますし、
長すぎると余計な渋味やえぐみが出てしまうため、
砂時計や電子時計をセットして正確に計ることが大切です。
ただし、ストレートでさらっと飲みたい時やレモンを入れる場合は、
規定時間より数十秒短めにすると軽めのさっぱりとした仕上がりになります。
茶葉の入っているパッケージの表示時間を参考に、
目的や好みに応じて何度か入れながらベストな抽出時間を見つけてくださいね。
温度、蒸らし時間に続いて、紅茶を淹れる水にも重要なポイントがあります。
と言っても、何も特別な水やミネラルウォーターを使う訳ではありません。
日本であれば、汲みたての新鮮な水道水が最適とされていますが、これには2つの理由があります。
順番にみていきましょう。
1つめの理由は、日本の水道水は軟水であり、
紅茶の成分がバランス良く溶け出す硬度を持っていることです。
水には硬度という考え方があり、
カルシウムとマグネシウムの含有量によって水質が分けられています。
イギリスやフランスなどヨーロッパ地域では硬水が多いですが、
日本の地域はほとんどが硬度100以下の軟水です。
軟水か硬水かによって同じ茶葉を使っても出来上がりの味わいに違いが生じます。
軟水を使うと水色は透き通って明るく、香味の繊細さをより表現しやすいのに対し、
硬水を使うと透明度が低く濃い水色になり、
雑味を消すのでより力強いコクなどを表現しやすいという特徴があります。
イギリスでは紅茶に硬水を使いますし、個人の好みもあると思いますが、
綺麗な明るい紅茶色や繊細な香味を楽しむなら断然、軟水がおすすめです。
2つめの理由は、水道の流水から汲むことによって
ジャンピングに必要な酸素がたっぷりと含まれることです。
長時間汲み置きした水や、一度沸騰させた後に沸かし直した水は
酸素が抜けてしまっているので使わないようにします。
なお、家庭の水道水は浄水器を通した方がより良いでしょう。
素敵なティータイムの演出に欠かせないのが、ティーポットとティーカップです。
一口にポットとカップといっても様々な形や素材、大きさや色があって迷ってしまいますよね。
でもこれらを選ぶ際にも、実はちょっとしたポイントがあります。
まずティーポットですが、形は丸形のものがベストです。
これは丸形で側面がカーブしていると、
お湯を注いだ時に茶葉がジャンピングしやすく、しっかり抽出できるためです。
素材は、保温効果の高い陶磁器製や、
蒸らす時に茶葉の様子を確認しやすいガラス製のものがおすすめです。
鉄製のものは、紅茶に含まれるタンニンと鉄分が
化学変化を起こして紅茶の色が黒ずんでしまうので、避けたいところです。
また、持った時の安定感も大切なので、選ぶ際には必ず手で持ってみて、
ハンドル部分が持ちやすいものを選ぶようにします。
大きさには2~3人用、4~5人用など色々な容量のものがありますので目的に応じて選んでください。
次にティーカップですが、なるべく内側が白くて底が浅いものを選びましょう。
白という色が、見ための美味しさを引き立ててくれます。
また、飲み口が薄くて縁が外側にそっている広口のカップを選ぶこともポイント。
飲む時に口当たりが良く、香りが広がりやすいので、
紅茶の魅力を思う存分楽しむことができます。
忙しい朝やオフィスでのブレイクタイムなど、手軽に紅茶を楽しめるティーバッグ。
一般的に「通常の茶葉に比べて味が落ちるのでは?」と思われがちですが、
ポイントを押さえれば十分に美味しい紅茶を淹れることができます。
基本的にティーバッグの場合でも、
手順と重要ポイントはこれまで紹介してきたものと同様です。以下の流れになります。
① ポットとカップを温めておく。
② 汲みたての水道水で沸かした熱湯を使う。
③ ふたをしてしっかり蒸らす。
茶葉と違う点、ティーバッグならではのポイントは、
沸騰したお湯をポットまたはカップに先に注いでおき、
後からその中にティーバッグを入れるという点です。
ティーバッグが先でお湯が後の場合、すぐにティーバッグが浮かび上がってしまい
なかなか抽出しなかったり、熱湯を注ぐ時の勢いでバッグから茶葉のカスが出たりして、
風味を損ねることがあります。
ですから、後から入れることでそれらを防ぐことができます。
さらに、この淹れ方なら、ティーバッグの袋の上部で小さなジャンピングも起こる場合もあります。
またティーバッグ1つは1杯分に相当しますが、
蒸らし時間は普通の茶葉よりも短めにする方が良いでしょう。
蒸らし終わった時点でティーバッグを取り出しますが、
この時に無理やりバッグを振ったり、絞ったりすると渋味やえぐみの原因になるので静かに引き上げます。
これらのポイントに注意して、手軽に美味しい紅茶を楽しみましょう。
基本の入れ方と重要ポイントを押さえたところで、
次は応用のミルクティーの作り方です。
紅茶本来の味をストレートで楽しむのも素敵ですが、
ミルクを加えるとまろやかになり、また違った味わいが楽しめます。
ミルクティーの作り方には、濃いめの紅茶を入れて最後に牛乳と合わせる方法の他、
茶葉と牛乳を一緒の鍋で煮出す方法などがあり、
後者は通称ロイヤルミルクティーと呼ばれています。
今回はシンプルで簡単な前者の作り方を紹介します。
① 基本の入れ方より茶葉の量を増やしたり蒸らし時間を長めにとったりして、濃いめの紅茶をいれます。
② 温めておいたカップに常温の牛乳をお好みで少量入れておきます。
③ 2のカップに1の紅茶を注いで完成です。
とても簡単ですが、美味しく仕上げるためにここでも押さえるべきポイントがあります。
ミルクティーは牛乳の風味で紅茶本来の味や香りが薄くなりがちです。
そのため、ミルクティー向きのコクが強い茶葉を選んだり、流れ抽出したりすることが大切です。
牛乳に関しても注意点があります。
紅茶の温度が下がることを気にして牛乳を加熱すると、
独特の香りが出てしまい膜も張りますので、温めずに使いましょう。
また、通常の牛乳は高温殺菌ですが、ミルクティーには低温殺菌の牛乳がおすすめです。
見ためには同じですがこちらの方が臭みは少なく、クリーミーな仕上がりになります。
暑い時期に爽やかにのどを潤してくれるアイスティー。
作り置きに便利で火を使わない「水出し」や「段階冷却」など何種類か作り方がありますが、
一番シンプルなのは「オンザロックス」という方法です。
熱湯で抽出した2倍の濃さのホットティーを一気に氷に注いで
急冷させる入れ方で、作りたてをすぐに飲むことができます。
ホットティーを作る過程は基本の入れ方と同じなので難しくはないですが、
美味しいアイスティーを作るには2つの”コツ”が必要になります。
1つめは、2倍の濃さのホットティーを入れる時に茶葉や水の量を正確に計ることです。
これは氷がとけて紅茶が薄くなることを見越して、きちんと濃い紅茶を入れる必要性があるためです。
2つめは、「ミルクダウン」防止のためにタンニンの少ない茶葉を選択し、蒸らし時間に注意することです。
「ミルクダウン(クリームダウンという場合もあります)」とは
紅茶に含まれる成分のタンニンとカフェインが冷やされることによって結合し、白く濁って見える現象です。
味にも人体にも影響はないのですが、
アイスティーは透き通った見ための美しさも大切ですので、できるだけ回避したいですよね。
ダージリンやアールグレイ、ニルギリなどがタンニンの量が少なく、アイスティーにおすすめです。
また、抽出時間が長いほど、
紅茶液中にたくさんのタンニンが溶け出すため、蒸らしすぎないことも大事です。
茶葉から淹れる紅茶はともすれば難しく敷居が高いと思われがちですが、
手順とポイントを守れば誰にでも美味しい紅茶を淹れることができます。
基本を押さえた後は、色々とアレンジしながら、
自分にとってのベストな一杯を見つけるのも楽しいですね。
きっと紅茶の新たな魅力に気付くはずです!
美味しい入れ方をマスターして、ぜひ素敵な紅茶生活を送ってください。
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