ハーブは、ヨーロッパにおいては、代替医療の一つとして扱われ、
健康や美容を目的に、様々な場面で活用されています。
お茶や食品としての摂取の他、皮膚や傷口への塗布、芳香などに使われるのが一般的です。
その中でセントジョーンズワートは、古来より傷を治す力があるという言い伝えがあり、
または、セイヨウオトギリソウ(西洋弟切草)と呼ばれる根茎性の多年草ハーブの一種です。
歴史を遡ると、その使用起源は2000年以上前にも遡ります。
古代ギリシャ時代や、古代ヨーロッパから広く人々に親しまれていて
民間薬として外用、内用ともに活用されてきました。
日本における最も古い記載は平安時代で、傷を治す力があったとされています。
植物の代替医療の研究が盛んなドイツなどでは、医師が処方するまでになっています。
一方、アメリカの先住民族であるインディアンは、抗炎症剤、消毒剤、中絶薬としても利用していました。
セントジョーンズワートの名前の由来は、キリスト教に登場する「聖ヨハネ」から来ています。
太陽が最も高い位置にある夏至に花が満開になる為、太陽の力が宿るハーブとされ信じられてきました。
同時期に聖ヨハネの誕生日(6月24日)があることから、
このハーブには聖ヨハネを意味する「セントジョーン」の名前がつけられました。
花や茎や葉を擦ると、赤い汁が出てくる為、聖書の中で処刑された聖ヨハネを連想させるとも言われています。
このような伝説もあり、ヨーロッパ諸国では、魔除けとして
セントジョーンズワートを玄関先やドアにつける風習がありました。
セントジョーンズワートの主な効能は、抗うつ作用・抗菌作用・消炎作用・鎮静作用など多岐にわたり、
外用としては、消炎作用により皮膚の炎症、切り傷や、やけどの治療における消毒、抗炎症剤として利用され、
肩こり、ニキビなど、身体のあらゆるところに塗布できるほか、
内用としては、軽度から中度のうつ病や、更年期障害,自律神経失調症,不安神経症、ストレスの緩和,
ダイエット時のイライラ感、焦燥感、パニック障害などに高い効果を発揮すると言われています。
植物を使った代替療法などが盛んなドイツでは、1980年代ごろから、植物を使用した医学的活用法が研究され、
現在は、うつ病や不安症などの治療薬として医師が処方するに至っています。
うつ状態での症状として脳内のセロトニン不足が挙げられますが、
セントジョーンズワートには、このセロトニンの濃度を高める作用があるとされています。
悲しい時や落ち込んでいる時や、不安を感じて落ち着きがない時などに
ハーブティーを飲むと心が落ち着いてリラックスできるといいます。
さらに、お肌にも良いとされています。
アメリカをはじめとする、その他の国では、サプリメントとして使用されることが多く、
日常の様々な場面で活用されています。
気持ちが悶々とする時や、緊張感や不眠が続く時などは、
ティーやアロマセラピーなどを通してセントジョーンズワートのエッセンスを取り入れてみましょう。
別名「サンシャインサプリ」、「ハッピーハーブ」などともよばれ、
幸福感を感じさせる脳内ホルモン「セロトニン」の分泌を促す作用があります。
セントジョーンズワートを使ったハーブティーは、1日を穏やかに過ごしたい方には最適なのです。
黄色い花を咲かせる多年草のハーブであり、そのリーフを使用したお茶も広く愛されています。
特にハーブティーは初めての方でも気軽にトライできるのでおすすめです。
ハーブティー用に生成されたセントジョーンズワートは、
そのままだと草木のようなフレッシュな香りが特徴です。
熱湯を注いで少し蒸らしてみると、淡い黄色の綺麗なティーの完成です。
味はほんのりと感じる苦味と甘みが特徴で、後味にはスパイシーさも感じることができます。
また、ほんのりとした甘みがあるので、飲みやすくお茶を飲む感覚で楽しむことができます。
リーフ上の時とは一味違った、さわやかな香りが堪能できる点も魅力です。
中にはこの苦味がクセになり、熱烈な愛好家になってしまう女性も多いようです。
セントジョーンズワートは単独で飲んでも、もちろん良いのですが
相性の良いハーブとブレンドして楽しむこともできます。
甘酸っぱいリンゴのような甘みが特徴のカモミールとブレンドすれば、
セントジョーンズワートの苦味を和らげて飲みやすいフレーバーが楽しめます。
また気分を晴れやかにする働きのあるビタミンCも
セントジョーンズワートとは非常に相性が良いとされていますので、
ローズヒップティーやハイビスカスティーとのブレンドもおすすめです。
さらに、セントジョーンズワートをお茶で頂く際には、
寝る前に飲むことでゆったりと深い眠りに導いてくれる効果もあるといいますので、
ノンカフェインのセントジョーンズワートのティーを就寝前に
飲むのも安眠を促すのでおすすめです。
沢山の効能をもつセントジョーンズワートですが、家庭で活用できるレシピをご紹介します。
ハーブには、その豊かな香りや味の特徴から、料理や香水などに使用できるものと、
漢方薬のように薬用に適したものがあります。
ラベンダーやローズのように、とりわけ強い香りや味を持つわけではなく、
逆に草のような少し泥臭い味があると感じる方もいられるかもしれません。
そんなセントジョーンズワートの1つ目のおすすめレシピは、
他のハーブとの組み合わせによるブレンドティー。
相性がいいのは、レモングラスやローズヒップ、オレンジピールなど、
香り高く、気持ちがリフレッシュするような植物との組み合わせです。
⇒ オレンジピールをブレンドした アンチストレスティー
ドライしたお茶用のセントジョーンズワートと、
お気に入りのドライハーブをお好みの割合でティーポットに入れます。
ポイントは、良く蒸らして熱いうちに飲むこと。
セントジョーンズワートは冷めると苦味がでる場合があります。
次におすすめなのが、ルイボスティーとセントジョーンズワートを組み合わせです。
ルイボスティーは、甘く香ばしい香りが特徴で、ノンカフェイン。
安眠効果があるWの組み合わせで、深くリラックスできるでしょう。
そして、3つ目は、外用としてセントジョーンズワート油を作ってみましょう。
これには生の花が必要なのですが、花をすり鉢などで細かく潰し、
茎や葉、好みのキャリアオイルに漬け込みます。
毎日、良くかき混ぜ、およそ半月から1ヶ月ほどしたら、オイルごと瓶に移しましょう。
日光にあてて、液が真っ赤に色づいたら完成。
筋肉痛や肩こり、傷などに効く外用薬として使用することができます。
勿論、パッチテストは忘れずに。
セントジョーンズワートで心と体を癒し、毎日ハッピーに過ごしたいものですね。