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英連邦とニュージーランド

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ノブです

いま世界のニュースはイギリスのEU離脱でもちきりです。
EUという欧州の共同体を大国イギリスが否定したことで他の欧州各国のEU懐疑派に追い風となることでしょう。既にフランスの反EU政党はフランスでも国民投票を行うべきと表明しています。
もしも離脱連鎖が拡がればEU崩壊という事態もあるかもしれませんが、今はイギリスの
今後の影響、そしてニュージーランドも関連してくると思いますのでいろいろと書いていこうと思います。

イギリスはグレートブリテン及び北アイルランド連合王国というのが正式名称であります。
つまりグレートブリテン島と北アイルランド島の連合からなる王国という意味になると思ってください。

少し歴史の話になりますが
そのイギリスの前身であった大英帝国とその植民地を合わせた領土は世界一でした。
その植民地も近代になって次々に独立していき、大英帝国も第二次大戦後以降イギリス連邦に移行し、現在のような体制となりました。

さて、ここから少しややこしいのです。
まず「イギリス連邦」と「英連邦王国」というものがあります。

ウィキペディアから引用しますが
「イギリス連邦」とは大英帝国がその前身となって発足し、イギリスとその植民地であった独立の主権国家から成る、緩やかな国家連合(集合体)である。

大英帝国から独立はしたものの、イギリスとはこれまでと同様緊密な関係を結びつつ対等な関係を築いていきましょう、といった感じでしょうか。

発足当初は白人連合の特徴を有し、英国国王に対する忠誠も加盟条件に必要でしたが
そのいずれも消滅または除外されたため、「イギリス連邦」への参加は容易になりました。
おそらく日本も承認されるかは不明ですが加盟は可能であると思います。
下記の色塗りされている部分が加盟国です
British_Empire_1921

「英連邦王国」とはグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(英国、イギリス)の王座にある者を自国の国王として戴く国家形態、また該当する国々を指す。
わかりやすく言いますと、先ほどの「イギリス連邦」のなかでも英国国王を国のナンバーワンとして位置づける国のことを言います。

こちらのほうが加盟への条件が国王を元首に戴くことですのでハードルが高いですね。
日本は天皇陛下を君主として戴いておりますのでこちらへの加盟はまず不可能です。
ニュージーランドはこちらの連邦に加盟しています。

「イギリス連邦」「英連邦王国」いずれの連邦におきましても優遇措置といいましょうかメリットがあります。
1.加盟国国民に国政および地方選挙における選挙権および被選挙権を認めている。
2.加盟国国民には査証発給(免除)やワーキング・ホリデーに関する優遇措置がある。
3.自国の在外公館が置かれていない英連邦外の国において、イギリスの在外公館による援護を受けることができる。
といった制度があるのです。

ちなみに「イギリス連邦」の加盟国は53か国で加盟国人口を合計すると21億人います。
「英連邦王国」は16か国が加盟し人口は1億1千5百万人です。
日本の人口は1億2千6百万人、EUの人口は5億です。

EUと共通する点はありますが、EUのような緊密な連合ではありません。
しかし元々上記のような連合体を形成していたのであれば、EUに頼らなくとも独自の経済圏を築き上げることが可能との思惑が離脱派にあるのかもしれないですね。
事実1929年の世界恐慌の際にイギリスやフランスはブロック経済を構成して恐慌を乗り切ろうとしました。

現時点での大勢は離脱をしたイギリスの暴挙に批判的な意見が多く見受けられます。
少数ではありますが長期的な視点では影響は少ない、むしろ大英帝国の復活なるかといった意見もあります。
やや強引ですが
そこにニュージーランドも組み込まれていくかもしれません。

前回の記事の中でニュージーランドが国旗変更の意義について旧イギリス植民地支配からの脱却を掲げていましたが
それは必ずしもイギリスを否定することでは無く、今後は独自のアイデンティティーを形成していくことの表明だと考えています。

しかしながら上記のイギリス連邦による経済圏構想は楽観的な部分も否めなく
問題点としてスコットランドの独立、北アイルランドとアイルランドの統合が直近の課題になると思われます。
もしもスコットランドと北アイルランドがイギリスから消えると国旗も変わります。
下の図の左上の旗になってしまうでしょう。
Flags_of_the_Union_Jack_jp

現行のイギリスの国旗でなくなってしまったら
ニュージーランドのような国旗の一部にユニオンジャックが入っている国はどうなってしまうのでしょうか。

早いか遅いかの違いはあれど、統合と分裂の繰り返しは歴史の必然です。
元々ヨーロッパ統合の動きは第一次大戦後から始まっていましたが
それを世界恐慌とヒトラーによるナショナリズムの運動により第二次大戦が起きてしまいました。
経済の安定により政治的な不安定要素を取り除くという理念がEUの前身となる組織が発足し、徐々に今日のEUの形へと発展していきました。
そこに来て今回のイギリス離脱という出来事はまさしく歴史が動いた瞬間かもしれません。

今後の世界の有り様がどう動いていくか注目です。